第2章【たったこれだけ!】ジョブ型人事制度は5ステップで作れる | 驚くほどシンプルな設計手順

「ジョブ型人事制度は知ってるけど、実際どうやって制度を作るのか知りたい」「自分の会社にジョブ型を導入できるのか考えるきっかけが欲しい」
この記事は、そんな思いをお持ちの方にぜひ読んでいただきたい内容です。

第1章では、ジョブ型人事制度が注目されている理由を紹介しました。

第2章では、具体的なジョブ型人事制度の設計方法についてお伝えします!
本note記事は、2022年7月に開催したセレクションアンドバリエーション主催セミナーにて司会を務めた同社コンサルタントの山田沙樹が、同社代表取締役の平康の講演内容についてまとめたものです。
*本記事を読めば、ジョブ型が注目されている理由について理解できます。

ジョブ型人事制度は、5つのステップで設計することができます!

目次

ステップ①組織図を書こう

ジョブ型人事制度の導入にあたって、まず組織全体を把握することが重要です。組織構造を理解するためには、自社の組織図の作成が欠かせません。
組織図を書くのは意外と難しいですが、ジョブ型導入の第一歩に必要なので、ぜひ皆さんもチャレンジしてみてくださいね。

組織図を書いたら、次は3つのフローに沿って個々のポストの従業員の業務を確認していきます。

従業員の業務確認のための3つのフロー
①各ポジションの現任者が自分の現状業務を記述する。
②①の内容を上位者がレビューし、そのポジションに求める職務が行われているか確認し、修正する。
③すべてのポジションで①②を実施する。それらを、とりまとめ、全社における業務棚卸表を一元化する。

ステップ②職務記述書を作ろう

次に、職務記述書を作成します。
職務記述書には5つの観点を取り入れることで、各ポジションの職務を明記することができます。
職務の概要:何を実現することを目的とした職務なのか
戦略上の重要課題:現在特別に求められていること
職務遂行に必要な要件:スキル、経験
職責の内容:担当する業務機能、事業領域、統括する人員の種類と人数など
求める成果:財務数値やプロセス数値などの定量的成果や、定性的な成果

一見、手間がかかりそうだと思われたかもしれませんが、一度作ってしまえばその後は更新するだけでOKです。
さらに、この職務記述書はジョブ型導入に役立つだけでなく、採用・配置・人材育成計画にも活用できる有効なツールにもなり得ます。

ここで重要なのが、職務記述書にはステップ①で作成した従業員の現状業務を記載するだけでなく、「そのポストにおける、あるべき職責」を記載することです。「Aさん」の現在の職責を記載するのではなく、「営業課長」としてあるべき職責を記載するように意識しましょう。

ステップ③ジョブサイズを測ろう

ステップ3では、職務記述書をもとにジョブサイズを決定します。
ジョブサイズとは、ある職務の難易度や求める成果の大きさから決められる仕事のレベルを数値化したものです。数値が大きいほど、レベルが高いことを示します。

ジョブサイズは、職務の評価要素ごとに点数をつけ、合計点数を算出することで決定できます。
評価要素は、職務評価表を参照すると分かります。
たとえば、ある会社の職務評価表を確認すると、評価要素「専門性」で以下のような区分になっていました。

評価要素「専門性」
業務に習熟することで獲得できるレベル・・・2点
経験と知識に加え、独自の付加価値を発揮することが求められるレベル・・・4点
極めて高い専門性が求められ、その獲得も極めて困難であるレベル・・・6点

評価要素の項目や、それぞれの点数の範囲は各社ごとに様々です。

ステップ①から③までの手順は、以下の通りです。

ステップ④ジョブサイズに紐づいた等級を設計しよう

続いて、全社におけるジョブサイズを一元化します。それらを一定点数ごとに束ねて等級区分と対応させることで、複数のバンドが設計できます。
バンドを設計することで、バンドごとの職責の差を明確にでき、部署間異動も行いやすくなります。

ステップ⑤等級に基づく給与体系を設計しよう

最後に、等級に基づく給与体系を決めます。
ポイントは、「職務に見合った金額を設定する」ことです。
同じ等級でも、ある一定ラインまでは昇給しやすく、一定ラインを超えると昇給しづらくなるような給与体系に設計するなどの工夫ができます。

まとめと感想

本記事では、ジョブ型人事制度の設計方法についてお伝えしました。
ジョブ型人事制度導入の第一歩は、自社の組織図を書くことです!

5ステップをご紹介しましたが、
「等級区分はどれくらいが良いの?」
「等級に基づく給与の幅ってどうやって決めたらいいんだろう?」など
実務レベルで考えると色々な疑問点を感じられたかもしれません。
より詳細な設計方法が知りたい方は、ぜひ一度セレクションアンドバリエーションの無料セミナーをご活用ください!セミナーでは、皆様の生の声も聞きながら、様々なお悩みにお答えしております。

第3章では、これまでの人事制度からジョブ型人事制度に移行するときの必見ポイント4つと、日本企業に適した事例を特別公開いたします!次回の投稿もお楽しみに!

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