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子ども・子育て支援金

子ども・子育て支援金

こども・こそだてしえんきん

監修:平康慶浩(セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役|グロービス経営大学院客員准教授。人事コンサルタントとして30年以上、等級・報酬・評価制度の設計に携わる)

子ども・子育て支援金とは、少子化対策の財源を確保するため、公的医療保険の保険料に上乗せするかたちで加入者と事業主から徴収される拠出金である。 2024年成立の改正子ども・子育て支援法に基づき、2026年(令和8年)4月分保険料から徴収が開始された。

背景・時事文脈

2026年4月分保険料からの徴収開始により、被用者保険では同年5月支給の給与から天引きが始まり、給与明細の控除項目に関する従業員からの照会が増えている。

被用者保険の支援金額(月額)は標準報酬月額×支援金率で算出され、2026年度の支援金率は国が示す一律0.23%、負担は労使折半である(出典:こども家庭庁)。

こども家庭庁の試算では、加入者1人当たりの平均月額は全制度平均で2026年度250円とされ、支援金率は2028年度にかけて段階的に引き上げられる見込みである。

財源は児童手当の拡充や「こども誰でも通園制度」など、こども未来戦略「加速化プラン」の施策に充てられる。

人事制度設計上の論点

支援金は事業主折半であるため、企業にとっては法定福利費の増加要因となる。

賃上げ原資を検討する際、昇給額そのものに加え、社会保険料・支援金の事業主負担増を含めた総人件費ベースで原資を把握するという論点がある。

支援金率は2026年度の0.23%から段階的な引き上げが見込まれており(こども家庭庁試算)、中期の人件費シミュレーションへの織り込みが必要になる。

従業員側では控除項目の増加により、ベースアップを行っても手取りの増加実感が薄れる。

昇給コミュニケーションを額面中心から、手取りや事業主負担分を含めた総報酬の提示へ転換するかどうかも設計判断となる。

また支援金は賞与(標準賞与額)からも徴収されるため、賞与の月給化など報酬ミックスの見直しに際しては、労使双方の負担変化をあわせて試算する必要がある。

なお、個別の保険料計算や免除の可否(育児休業中の扱い等)については、加入する医療保険者または専門家への確認が必要である。

より深く読む

賃上げ原資の決め方と配分の設計論については、平康慶浩による論考『賃上げの基準を「率」で決めてはいけない|原資と配分の経営判断』で詳しく解説している。