障害者法定雇用率
しょうがいしゃほうていこようりつ
監修:平康慶浩(セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役|グロービス経営大学院客員准教授。人事コンサルタントとして30年以上、等級・報酬・評価制度の設計に携わる)
障害者法定雇用率とは、障害者雇用促進法に基づき、事業主に義務付けられる障害者雇用の最低比率である。 民間企業の法定雇用率は2026年7月1日から2.7%に引き上げられ、雇用義務の対象となる企業規模は常用労働者37.5人以上に拡大された。
背景・時事文脈
法定雇用率は段階的に引き上げられており、2024年4月の2.5%への引き上げに続き、2026年7月1日から2.7%となった(出典:厚生労働省)。
常用労働者100人超で法定雇用率未達成の事業主には、不足1人につき月額5万円の障害者雇用納付金が課される。
雇用率の対象となる企業規模の拡大により、これまで雇用義務のなかった中小企業にも新たに対応が求められることとなり、施行直後の現在、算定方法や雇用の進め方に関する検索需要が高まっている。
人事制度設計上の論点
法定雇用率への対応を「数合わせ」で終わらせないためには、職務設計と処遇制度の整備が必要になる。
第一に、職務の切り出しの論点である。
既存業務を分解し、障害特性に応じて安定的に担える職務を再構成する作業は、業務の標準化・職務定義の整備と本質的に同じであり、ジョブ型・スキルベースの職務整理の一環として設計できる。
第二に、処遇制度の論点である。
障害のある従業員にも等級・評価・昇給の仕組みを適用し、習熟と貢献に応じて処遇が上がる道筋を示すことが、定着率と戦力化を左右する。
評価基準を本人の職務範囲に即して設定する運用が検討される。
第三に、雇用形態の選択(直接雇用・特例子会社・グループ算定等)は、要員計画と納付金負担を含めた中期の人件費計画の中で判断するという論点がある。
制度の詳細な算定方法や助成金の適用については、最新の厚生労働省資料と専門家への確認が必要である。
より深く読む
採用基準の設計と人材確保の関係については、論考『採用基準を絞ると、採用力が上がる――医療・介護組織の「採れない」は、自分たちがつくっている』で詳しく解説している。