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男女間賃金差異

男女間賃金差異

だんじょかんちんぎんさい

監修:平康慶浩(セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役|グロービス経営大学院客員准教授。人事コンサルタントとして30年以上、等級・報酬・評価制度の設計に携わる)

男女間賃金差異とは、男性労働者の賃金に対する女性労働者の賃金の割合(男性を100とした場合の女性の水準)を示す指標である。 女性活躍推進法に基づき、全労働者・正規雇用・非正規雇用の3区分での公表が事業主に義務付けられている。

背景・時事文脈

2022年から常用労働者301人以上の企業に公表が義務付けられていたが、2025年6月公布の改正女性活躍推進法により、2026年4月から対象が101人以上の企業へ拡大された。

同時に女性管理職比率も公表必須項目となり、中堅企業にも賃金と登用の両面での説明責任が及ぶこととなった。

男女間賃金差異は採用市場や取引先・投資家からも参照される指標となっており、単なる開示対応を超えて、差異の要因を説明できる状態をつくることが課題となっている。

人事制度設計上の論点

男女間賃金差異は、多くの企業で「同じ等級での賃金差」よりも「等級・役職の分布の差」から生じる。

第一に、要因分解の論点である。

差異の数値を等級別・職種別・勤続年数別に分解し、格差が昇格・登用の偏りから来るのか、職種配置から来るのか、手当や労働時間から来るのかを特定しなければ、有効な打ち手は選べない。

第二に、等級制度・昇格運用の点検である。

昇格審査のプロセスに評価の偏り(考課者エラー)や候補者推薦の偏りが入り込んでいないか、育児期のキャリア中断が昇格要件の滞留年数運用で不利に働いていないかの検証が必要になる。

第三に、公表数値の推移を人的資本開示・経営指標として扱い、改善目標を行動計画・役員の責任と接続するかという設計判断がある。

数値の算出方法や公表様式の詳細は厚生労働省の省令・通達に基づくため、実務では最新の公表ルールの確認が必要である。

より深く読む

賃金の説明可能性を高める原資配分の設計については、平康慶浩による論考『賃上げの基準を「率」で決めてはいけない|原資と配分の経営判断』で詳しく解説している。