就活セクハラ防止措置
しゅうかつせくはらぼうしそち
監修:平康慶浩(セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役|グロービス経営大学院客員准教授。人事コンサルタントとして30年以上、等級・報酬・評価制度の設計に携わる)
就活セクハラ防止措置とは、改正労働施策総合推進法等に基づき、就職活動中の学生など求職者等に対するセクシュアルハラスメントを防止する雇用管理上の措置を事業主に義務付ける制度である(2026年7月時点、2026年10月1日施行)。 従来の職場のセクハラ防止措置の保護対象を、雇用関係に入る前の求職者にまで広げるものである。
背景・時事文脈
OB・OG訪問やリクルーター面談など、選考の周辺で行われる接触の場で就活生が被害を受ける事案が社会問題化したことが立法の背景にある。
2025年6月公布の改正法により、事業主には方針の明確化と周知、相談体制の整備、面談等のルール設定などの措置が求められる。
カスタマーハラスメント対策義務化と同日の施行であり、厚生労働省が指針等で具体的な対応内容を示している。
採用広報の早期化・通年化により学生と社員の接点が増えていることも、対応の必要性を高めている。
人事制度設計上の論点
就活セクハラ防止は採用部門だけの課題ではなく、社員の行動管理の制度問題である。
第一に、面談ルールの設計である。
OB・OG訪問やリクルーター面談について、日時・場所(密室・飲酒を伴う場の禁止等)・記録の残し方をルール化し、採用に関わる全社員に周知する必要がある。
第二に、役割定義と評価への反映である。
リクルーターを担う社員の行動規範を役割として明文化し、違反時の懲戒・降格の根拠を就業規則と等級制度の双方に整合させておくという論点がある。
第三に、相談窓口を社内の従業員向け窓口と統合するか、求職者がアクセスしやすい別窓口を設けるかという設計判断がある。
採用ブランドの毀損リスクという観点からも、防止措置の実効性は採用戦略の一部として設計することが求められる。
より深く読む
採用基準の設計と採用力の関係については、論考『採用基準を絞ると、採用力が上がる――医療・介護組織の「採れない」は、自分たちがつくっている』で詳しく解説している。