勤務間インターバル
きんむかんいんたーばる
監修:平康慶浩(セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役|グロービス経営大学院客員准教授。人事コンサルタントとして30年以上、等級・報酬・評価制度の設計に携わる)
勤務間インターバルとは、勤務の終了から次の勤務の開始までの間に、一定時間以上の休息時間を確保する仕組みである。 日本では労働時間等設定改善法に基づく努力義務とされており、義務化の是非が労働基準法改正論議の主要論点の一つとなっている。
背景・時事文脈
欧州連合(EU)では24時間につき連続11時間の休息が労働時間指令で定められており、日本でも約40年ぶりの労働基準法大改正に向けた議論の中で、休息時間の確保を義務化する方向が検討されている。
厚生労働省の研究会報告を受けて労働政策審議会での審議が続いており、義務化の範囲・時間数・例外の扱いは審議中である。
確定した制度改正ではない点に注意が必要であり、法案の内容と施行時期は今後の審議・国会日程による。
人事制度設計上の論点
義務化を待たずに、勤務間インターバルは要員設計の前提条件として先取りする価値がある。
第一に、勤務シフトと管理職の働き方の点検である。
深夜対応の翌朝の会議、締め切り前の連続長時間勤務など、インターバルが確保できない業務の構造を特定することは、義務化への備えであると同時に、労働時間の実態把握そのものである。
第二に、代替要員と職務設計の論点がある。
特定の担当者にしか対応できない業務が多いほどインターバル確保は難しくなるため、業務の標準化・多能工化・職務定義の整備が前提条件となる。
第三に、評価・報酬制度との整合である。
長時間の対応力を暗黙に評価してきた組織では、休息確保と成果を両立する働き方を行動評価で肯定的に扱う設計への転換が求められる。
導入時には、インターバル確保により始業が繰り下がった時間の賃金の扱い(勤務みなし・時差調整)をあらかじめ定めることが実務上の論点となる。
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