企業ロゴ画像
企業ロゴ画像

降格

降格

こうかく

監修:平康慶浩(セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役|グロービス経営大学院客員准教授。人事コンサルタントとして30年以上、等級・報酬・評価制度の設計に携わる)

降格とは、等級制度上の等級、または役職上の地位を引き下げる人事上の措置である。 人事権の行使として行われるものと、懲戒処分として行われるものがあり、両者は根拠も法的性質も異なる。役職のみを解く措置は降職・降任と呼び分けられることもある。

背景・時事文脈

年功的な運用の見直しやジョブ型・役割等級制度の導入に伴い、評価や役割の変化に応じて等級を引き下げる仕組みを制度に組み込む企業が増えている。

判例上、降格の有効性は、就業規則等の制度上の根拠の有無、権利濫用に当たらないか、賃金の減少幅の相当性などの観点から個別に判断されるとされており、制度設計と運用記録の整備が実務上の前提となる。

個別事案の適法性については専門家への確認が必要である。

人事制度設計上の論点

降格を機能させる鍵は、例外的な処分ではなく制度の通常運用として設計することである。

第一に、降格基準の事前明示である。

低評価が一定回数続いた場合や役割要件を満たさなくなった場合など、発動条件を等級制度・評価制度の中に明文化し、本人へのフィードバックと改善機会(業績改善プログラム(PIP/Performance Improvement Plan)等の運用)を挟むプロセスを定めることが、納得性と有効性の両面で必要になる。

第二に、報酬の取り扱いである。

降格時に給与が新等級のレンジ上限を超える場合の調整方法(一定期間の調整給・段階的引き下げ)を定めておかなければ、等級と報酬の対応が崩れる。

第三に、役職の降任と等級の降格を区別し、役職を離れても専門性で貢献できる処遇ルートを用意するという論点がある。

第四に、降格を「終わり」にしない再昇格の要件と実例をつくることが、制度への信頼を左右する。

降格運用の厳格さは、昇格運用の甘さの裏返しであることが多く、昇格基準とセットで設計する必要がある。

より深く読む

役職を離れる仕組みの設計論については、論考『役職定年制度は、いまも必要なのか?廃止すべき企業/廃止すべきでない企業の違いは?』で詳しく解説している。

関連する支援サービス

等級制度設計についてのご相談

自社に合った等級の基準・段階数を設計し、評価・報酬へ接続します。

サービス詳細を見る