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家族手当

家族手当

かぞくてあて

監修:平康慶浩(セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役|グロービス経営大学院客員准教授。人事コンサルタントとして30年以上、等級・報酬・評価制度の設計に携わる)

家族手当とは、扶養する配偶者や子など家族の有無・人数に応じて支給される手当である。 扶養手当とも呼ばれる。職務内容ではなく従業員の家族構成という属人的要素に基づいて支給される点に特徴がある。

背景・時事文脈

厚生労働省「令和2年就労条件総合調査」によれば、家族手当・扶養手当・育児支援手当などの制度がある企業の割合は68.3%である。

片働き・専業主婦世帯をモデルとした生活保障給として広がったが、共働き世帯が多数派となり、支給要件を配偶者の収入額に置く設計は、いわゆる「年収の壁」による就業調整の一因として見直しの対象となってきた。

2026年10月には社会保険の適用拡大(賃金要件の撤廃)が予定されており、扶養を前提とした手当設計の再考を迫る環境変化が続いている。

人事制度設計上の論点

家族手当の見直しは「廃止か存続か」の二択ではなく、原資の再配分の設計問題である。

第一に、配偶者を対象とした部分を縮小・廃止し、子どもを対象とした部分へ再配分する設計は、就業調整の解消と子育て支援の両立策として検討されることが多い。

その際、既存受給者への経過措置(段階的縮小・調整給)の設計が実務上の焦点となる。

第二に、同一労働同一賃金の観点から、正社員のみに支給する家族手当の扱いは待遇差の説明可能性という論点を持つため、支給目的の整理が必要である。

第三に、廃止原資を基本給へ組み込む場合は、等級別の配分によって賃金カーブの形状が変わるため、若手重点か全体均等かという配分方針の判断が求められる。

個別の社会保険・税務上の扱いについては専門家への確認が必要である。

より深く読む

扶養モデル終焉後の家族手当の公正性設計については、平康慶浩による論考『給与項目の今昔「家族手当」 — 扶養モデル終焉後の、公正性の設計』で詳しく解説している。

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