評価スキルを高めたいマネージャーがやるべき4つのこと


「評価スキルを高めたい」という声を、管理職の方からよく耳にします。しかし多くの場合、評価スキルの向上というと「評価基準の理解」や「バイアスの除去」「評価エラーの理解」といった、期末の評価時点での改善に意識が向きがちです。実際には、評価の精度は期末の判断だけで決まるものではありません。

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評価スキルとは何か―「期末に正しく選ぶ力」ではない

多くの管理職が「評価スキル」と聞いてイメージするのは、評価表を前にして「この人はBかCか」を正しく判断する力ではないでしょうか。しかしこれは、評価スキルの一部にすぎません。

たとえば、期末になってはじめて「さて評価しよう」と評価シートを開いた場合、その時点ですでに評価の精度に限界があります。半期分のメンバーの行動を、記憶だけを頼りに振り返ることになるからです。

評価の精度を本質的に高めようとすると、期末の「判断」だけでなく、日常の「観察」「対話」「記録」という3つの習慣が土台として必要です。この4つを合わせたものが、評価スキルの全体像です。

評価スキルの全体像―4つのステップ

評価スキルは、以下の4つのステップで整理することができます。

STEP
観察する

日常の行動をる習慣

STEP
対話する

本人の意図と文脈を引き出す

STEP
記録する

事実を残す習慣

STEP
評価する

期初・期中の事実に沿って評価する

①観察する―日常の行動を見る習慣

メンバーがどのような行動をとっているか、どのような働きをしているかを、日常的に注意して見ることです。週に一度のミーティングの場だけでなく、普段のやりとりや業務の場面からも、行動の事実を積み上げていく意識が求められます。

観察のポイントは「印象」ではなく「行動の事実」を見ることです。「なんとなく頑張っていた」ではなく、「先月のあの案件でこういう対応をした」という具体的な場面を蓄積していくことが重要です。

②対話する―本人の意図と文脈を引き出す

観察だけでは、評価者の一方的な視点に偏りやすくなります。1on1などの場を通じて、メンバー本人から「なぜそう行動したか」「どんな状況だったか」という意図や文脈を引き出すことで、評価の精度が高まります。

特に、行動の「結果」だけを見ているマネージャーほど、「プロセスや意図」を見落としがちです。対話によって初めて見えてくる事実は多く、評価の根拠を豊かにする重要な情報源です。

③記録する―事実を残す習慣

観察・対話で得た情報は、記録として残しておかなければ評価の場面で活用できません。「あのとき良い仕事をしていた気がする」という記憶は、時間が経つほど曖昧になり、印象に上書きされやすくなります。

メモアプリや1on1の記録欄など、形式は問いません。「いつ、どんな場面で、どんな行動をしたか」という事実を短くメモしておく習慣が、後の評価の根拠になります。なお、②の対話と③の記録は順序が前後することもあり、対話しながらその場でメモを取るというスタイルでも問題ありません。

④評価する―事実をもとに判断する

①〜③で積み上げた事実をもとに、評価基準と照らし合わせて評価を判断するのがこの段階です。多くの評価者研修が扱うのはこのステップだけですが、①〜③の土台なしには、このステップの精度も上がりません。

まとめ

評価スキルとは、期末に正しい評価をつける力だけではありません。日常の観察・対話・記録という土台の上に、はじめて精度の高い評価判断が成立します。

  1. 観察する:日常の行動事実を見る
  2. 対話する:本人の意図と文脈を引き出す
  3. 記録する:事実を残す
  4. 評価する:1~3の記録に沿って判断する

まずは、日々の業務の中で「記録する習慣」から始めてみてください。

人事評価制度の設計・見直しや、評価者研修については、セレクションアンドバリエーション株式会社までお気軽にご相談ください。

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