セレクションアンドバリエーション株式会社の協力を得て、2020年度から計画的な評価者研修の実施による組織レベルの向上に取り組んでいる。
こうした改革に取り組む中での課題や現状、今後の方向について、人事部の前川氏、古木氏、中口氏に話を聞いた。
評価をマネジメントツールとして捉えることができた
—まずは、当時評価者研修の実施を決めた背景について教えていただけますか?
前川氏:
当時は人事理念を制定したばかりで、それを行動基準に落とし込んでいく必要がありました。その中で管理職に対しての教育を重要視しなければいけないという思いから、評価者研修の実施を決めました。
目標設定による評価制度を運用するに当たり、フィードバックや評価の納得性という点で課題がありました。このタイミングでしっかり腹落ちできる評価に変えていくための対策をとらなければいけないと思い、お願いしました。

—振り返ってみて思い通りの形になりましたか。
前川氏:
今回初めて客観的に評価というものを理解した評価者が多くいると思います。これまで評価は給料を決めるためのものと捉えがちでした。
そうではなくてマネジメントの1つのツールであるとして、部下に対してどういう成長を望んでいるかも踏まえて取り組むという点は意識できていなかったので、今後も繰り返し伝えていく必要があると感じています。ただし、部下と向き合ったときにその意識で話をするための訓練は必要ではないかと思いますので、研修と実践を両立させることが必要だと考えています。
古木氏:
今回はグループワークの中で行動評価基準のすり合わせを実施しました。これは当社の評価者訓練の中で初めての試みです。
評価者が共通認識を持つことを意識して評価を実施しましたが、実施後の評価者アンケートでは評価しやすくてよかったという声が多くありました。また、今回クラウド型eラーニングシステムを使っていつでも研修動画を見られるようにしました。
実際に研修をしてみて良かったと思うのは振り返ることができる点です。
実際に評価する際に、動画を見直したうえで気をつけなければいけないことや自分の評価の傾向を意識しながら実施できることは非常に良かったと思います。
—中口さんは実務担当で手を動かされており、大変なことも多かったと思いますが振り返ってみていかがでしたか。
中口氏:
これまで一度の研修で目標設定と行動評価を身に着けることが難しかったので、何度でも動画を見直せることは一番良かった点だと思います。 今年度も昨年度の動画を使わせていただいており、新任役職者に関しては動画を見ることを必須にしています。
—動画は繰り返し見ることができるメリットがある一方、訓練の場は今後必要になってくると認識しております。給与を決めるためだけに評価をするわけではないというメッセージが伝わって嬉しい限りです。
決め手は課題を汲み取ったソリューション
—弊社にご依頼をいただいたきっかけは何だったのでしょうか。
古木氏:
日経STYLEで平康さんの連載記事を読んだことがきっかけです。評価をしていくうえで一番の課題と認識していた点が記事の中で的確に記載されており、まさにそれが目指したい姿だと感じ、コンタクトを取らせていただいた次第です。
他社さんは検討されていなかったのですか。
古木氏:
他社さんにもお声がけさせていただきましたが、その中で一番弊社の課題を汲み取っていただけていると感じたことが決め手でした。
—コロナの影響もあり、当初オフラインで実施する予定だった研修が動画に変わって大変だったと思いますが、変更の意思決定がすごく早かった印象があります。リアルで行う前提だったものを動画に切り替えて苦労されたのはどういった点でしょうか。
古木氏:
まず新しい評価制度を昨年度から始める予定だったため、そのタイミングでお声掛けさせていただきました。
しかし緊急事態宣言が発令され、新しく始まる制度をどうするのかということをすぐに決めなければいけない状況でした。
結果として新制度の導入を今年度に遅らせて、昨年度は今までの制度で評価を行いました。その判断を早期に行いました。
新しい制度理解を進めなければいけない。なおかつ在宅勤務がメインになる状況での育成を考える中で、クラウド型eラーニングシステムを活用した動画の研修を行うことを決めました。
—環境変化が本当に激しかったので、1年遅らせてでもしっかりと浸透させていくというご判断をされたことは素晴らしかったと思います。現場で中口さんと直接やり取りさせていただくことは多かったですが、例えば「動画をみなさい」と落とし込む中での反発はありませんでしたか。
中口氏:
元々動画研修へのニーズがあったこともあり、反発自体は少なかったと思います。新任役職者からはこういうものを求めていたという声もありました。
—弊社で実施させていただいた評価者研修のご感想をいただけますか
前川氏:
社員からの声にもありその通りだなと思った点は、外部の方でありながら「わが社」や「イーウェルは」というように自分ごととして話してくださっていて、信頼できると感じました。
古木氏:
イーウェルの人事制度を理解されており、その中で的確なポイントを動画や研修の中で詰め込んでいただいているという点で、これがプロの仕事だと感じました。
中口氏:
一番良かった点はわかりやすかったということ。 一般社員でも理解できる形にしてくださっていたのがありがたかったです。
目指すのは変化できる会社
—最後に、これからイーウェルとして目指される方向性を教えていただけますでしょうか。
前川氏:
悩みを抱える社員がいたら、一緒に悩みながら解決していける会社でありたいなと思っています。また、変化していける会社でなければいけないとも思っています。
今作っている人事制度も数年後にはまた変わっていなければいけない。その結果として会社が成長することで、お客様にとってなくてはならない存在になりたいと思います。
古木氏:
社員が誇れる会社にしたいと思います。今のサービスを提供していることを誇りに思えるような会社にしたい。
そして人事としては、その思いに寄り添っていくための支援がしたいですね。
中口氏:
働きがいがある会社にしたいです。それは仕事だけでなく、プライベートでも。まさに福利厚生を商材としていることもあり、働いている人が輝ける職場にしたいと思います。
自分だけでなく家族も輝ける職場を人事としてつくっていきたいです。

- 企業名
- 株式会社イーウェル
- 発足
- 2000年(平成12年)10月
- 資本金
- 5億円
- 社員数
- 1,159名
- 事業内容
- 健康支援サービスの開発・提供