職能等級型の人事評価制度は、かつて日本で最もポピュラーな人事評価制度でした。そしていまなお多くの日本企業で職能等級型の人事評価制度が運用されています。
職能等級型とは簡単に説明すると、個人が持っている能力を評価して等級を定め給与に反映する仕組みのことです。
しかし職能等級型の人事評価制度には、大きな特徴があります。それは、能力は見えない、ということです。そして見えない能力を基準にして作り上げた人事評価制度は、結果として以下の問題点を生じさせました。
- その人の持つ印象や、年齢などが実際の評価基準になってしまう
- 能力が下がることをイメージしづらいので給与が増え続ける
このような問題点があるため、職能等級型の人事評価制度を導入している企業では、人件費をコントロールしづらく、不況時には大規模なリストラを行わざるを得ませんでした。また評価基準がはっきりしないので、若手が育ちにくく、年長者があまり頑張らないような状態もつくりあげてしまいました。