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ナレッジ

人事制度設計の知識詳細

報酬制度設計

4-5.職務給の設定のポイント

職務給を設定するとき、一番下の職務等級から金額を設定します。

 

その際の金額は少なくとも5万円としましょう。 その理由は、残業代をもらえる行動等級の従業員との間で、給与の逆転が生じないようにするためです。そもそも行動等級によって決まる給与については接続型としています。管理職については残業代が出ませんが、非管理職については残業代が支給されます。ここで適切な額で職務給が支給されなければ、給与総額が簡単に逆転してしまうことになります。なお、あるべき論としては、管理職の低位に位置する課長級についての市場価値から、行動等級で決まる基本給を差し引いて算出することが望ましいです。

 

その際の手順は以下の通りです。

(1) 他社の課長級の年収額サンプルを集める
(2) サンプルをもとに自社が参考にすべき水準を決定
(3)参考水準の年収額を12で割り戻し、月額を算出
(4)月額から、自社の課長相当の行動等級中間額を減算
(5)残る金額を最低職務給の水準とする

 

課長よりも上位の職務等級の職務給を設定する際にも、市場価値を常に意識します。可能な限り業界における参考となる年収水準データを探すべきですが、それが困難な場合には、職務等級1段階ごとに最低3万円の差を設けることで納得性のある水準が確保されます。3万円というと年額で36万円だから少なく感じるかもしれません。しかしハイブリッド型の仕組みのため、実は行動等級で決定する基本給部分ですでに一定の差がついています。もしこの年収差で十分でない場合には職務給の差をもう少し大きくしていきます。
そうすることで、優秀な管理職をひきとめ、市場価値にも適合する年収水準を設定することが可能になります。