多くの企業が「人事評価の壁」にぶつかる理由
「評価結果の説明が難しい」
「評価者によって差がある」
「報酬との結びつきが曖昧」
こうした悩みは、実は組織規模を問わず非常に多くの企業で起きています。
その背景には、絶対評価と相対評価の使い分け方が曖昧なまま制度運用がされているという問題があるケースが多いです。
評価制度は「決めて終わりの仕組み」ではなく、現状可視化・成長促進・行動変容につながる関わる企業の中枢となる仕組みです。

だからこそ、人事担当者であれば、自社の評価制度の目的や仕組みのあり方について一度整理しておくことが極めて重要です。
絶対評価と相対評価 ― 本当に重要なのは“どちらが正しいか”ではない
「どのように評価するのか」という観点では、絶対評価と相対評価の2つが取り上げられます。
それぞれ、明確な強みと弱みがあります。
◆絶対評価
(強み)
・基準が明確で納得感を得やすい
・個人の成長促進と相性が良い
(弱み)
・原資調整(昇給額・賞与額の個人配分)が難しい
・評価の偏りが生じやすい
◆相対評価
(強み)
・評価格差をつけやすい
・原資調整がしやすい
(弱み)
・母集団によって評価が変動しやすい
・評価結果を説明しづらい・納得感を得にくい
絶対評価と相対評価、それぞれの評価方式の特徴を押さえたうえで、「どちらが良い/悪い」を判断するのではなく、「自社に合った使い分けができているか」を押さえておくことが重要です。
実は、企業の規模、職種、風土、期待する役割によって、最適な評価方式は大きく異なります。
絶対評価か、相対評価か、どうやって決めたらよいのか?
自社に適した評価方式を選択するのが難しい理由は、会社の規模・職種・ビジネスモデルによって最適解が変わる点にあります。
たとえば、組織規模による違いを見てみましょう。
大企業は、社員数や拠点が多く、同じ職種・同じ等級の社員が広い範囲に存在します。
こうした環境では、評価者によるブレを抑え、全社としての公平性を保つことが求められます。
そのため、相対評価(分布調整)を用いて横比較を行うことで、「評価の甘辛差」や「部署ごとのばらつき」を是正しやすくなり、組織全体としての整合性を保ちやすいのが特徴です。
一方、中小企業やベンチャー企業では、一人ひとりが担う役割が大きく、職務内容も多岐にわたります。
そのため、大企業のように“横比較での公平性”を追求するよりも、個々の成長や挑戦をどれだけ積み上げられたかを評価する方が組織文化にフィットしやすい構造があります。
絶対評価は、評価対象者自身の変化・成長に焦点を当てるため、新しい役割への挑戦、職域拡大、学習・スキル習得といった行動を後押ししやすく、中小・ベンチャー企業の成長フェーズと相性が良いのです。
他にも、営業職や研究開発職、事務職といった職種によっても最適な評価方式は異なります。
さらに、webマーケティングを代表とする利益配分型ビジネスか、コンサルティングや教育事業などの知識集約型ビジネスか、といったビジネスモデルによっても、評価制度が果たすべき役割と仕組みのあり方は大きく異なります。
“評価結果”と“報酬決定”は切り分けるべき
さて、ここまでを読んで、
「評価方式は自社に適したやり方ができているんだけど、それでも評価に対する不満はつきない」
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
その場合、「評価結果=報酬決定」の構造が、不満の原因になっているかもしれません。
この構造になっていると、現場では次のような実態が生じやすいです。
- 評価者が実際の行動発揮度にかかわらず、評価を甘くつけがち
- 評価が低くならないよう、本人は「失敗を避ける」「新しい挑戦を控える」など、リスク回避行動を取りがち
- 評価結果への不満が「給与不満」として増幅しがち
つまり、「評価結果=報酬決定」の構造は、評価制度の本来の3つの役割(現状可視化・成長促進・行動変容)を阻害してしまうのです。
そこで、解決策となり得るのが、「評価結果の決定と報酬決定の切り分け」です。
本来、
評価=より高い成果・行動を引き出すための育成ツール
報酬=頑張りに報いる金銭的インセンティブ
と、各要素の目的は全く異なります。

そのため、両者を切り分けるだけで、制度は驚くほど運用しやすくなります。
まとめ:評価制度の本質は“対話と成長”である
評価制度は、組織業績にもつながりうる人事施策の根幹です。
制度が変われば組織の行動が変わり、社員の成長スピードも変わります。
しかし、評価制度を自社に最適化するには、
• 組織規模
• 職種
• ビジネスモデル
• 企業風土
• 期待する人材像
など複数の要素を考慮しながら丁寧に設計する必要があります。
そこで、セレクションアンドバリエーションでは、
具体的に、評価制度と報酬制度をどのように設計したら良いのか?については、
個社ごとの特徴を踏まえてお答えさせていただいております。
✔ 評価制度・報酬制度を見直したい
✔ 絶対/相対の使い分け方が分からない
✔ 評価結果と給与説明がつながらない
✔ 評価者教育の方向性を固めたい
✔ 他者の事例を知りたい
上記のような課題感を少しでもお持ちでしたら、ぜひ一度お問い合わせください。
制度を変えるというより、今の良い部分を活かしながら、より運用しやすい形に整えるための考え方について、ぜひ一緒に考えましょう。
評価制度の設計方針についてご興味のある方は、こちらの記事もご覧ください。


