多様性の時代を生き抜き、先導する大学を実現するための人事制度改革
設立1880年代
従業員500名
売上約600億円
提供サービス人事制度設計
実施期間15ヶ月
プロジェクトのきっかけ
関西私学トップクラスの学校法人だが、少子化や学校間競争の激化と言った変化する外部環境に危機感を持ったことから、今後50年生き残ることが出来る学校への変革を目指した。
組織間の評価の甘辛が存在することによる評価制度全体への納得感の低下、管理職のみが優遇されており専門職は管理職の下位互換といった位置づけになってしまっていることへの人事担当者の問題意識がプロジェクト開始のきっかけとなった。
目的
今後50年先も生き残れる学校法人への転換。
課題
・十数年前に構築した制度が機能不全(部門間甘辛の発生による不公平感)
・管理者に上がることのみを想定した等級体系であったため、専門能力で貢献する方の処遇を向上できない。(一部、管理職に登用することで対応する部署はあったが、任用後の業務が組織管理であったため、本人・部下双方が戸惑い)
・評価項目がこの十数年変わっておらず、外部環境に対応出来ていない。そのため、高評価者が必ずしも学校法人にとっての高業績者ではない。
・目標管理制度における目標設定を従業員個々人が行なうため、組織目標との紐付けが弱い。または達成可能な安易な目標に留まる。
実際に構築した制度のポイント
・学校法人を取り巻く環境変化に合わせ、求める人材像を再設計。(少子化による学生減への対応・リカレント教育推進・限られた予算を効率的に配分する…等)
・考課者による評価基準差が生じづらいよう、顕在化した行動で評価するよう変更。
・組織目標を個々人にブレイクダウンすることで、組織目標と個人目標の連動を確保。目標設定への納得感を高めるとともに組織成果向上を実現。(個人のキャリアアップ目標は評価・報酬とは連動させず上司と部下との間で個別に実施)
特筆すべき課題や解決策の特徴
「人件費総額の低減と、変化する業務ニーズへの対応の両立」
専任職員が企画業務に注力出来るよう、業務改善を評価基準に追加。企画業務を評価基準に追加することで行動変革を促す。
人件費水準の高い専任職員の採用を限定し、定型業務は契約職員に移管することで、人件費総額を低下させながら企画業務に転換。
「現役時代の等級に応じた再雇用時処遇設定」
個人の希望と現役時代の行動等級に応じて、役職定年や再雇用時の期待職務を格付け(管理監督職/フルタイム労働/時短勤務)。
活躍する人材に高い処遇を設定するとともに、定年直前まで昇格する意欲維持を行なった。