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インタビュー

富士急行株式会社が挑んだ「現場から始まる人事制度の再設計」
山梨・富士山麓で暮らし、働く。地域に根ざす企業の“人事の進化”

富士急行株式会社様

富士山麓を走る鉄道、そして観光・ホテル・バスなど多角的に地域を支える富士急行株式会社。 この地域の暮らしや観光を守る同社が、2023年、人事制度改革という大きな挑戦に踏み出しました。 背景にあったのは「現場の努力を正当に評価できていない」という課題。 長年にわたり受け継がれてきた評価制度は、導入から20年が経過し、徐々に形骸化していたのです。
セレクションアンドバリエーションの支援を得て人事制度を導入した当時の課題や今後について、人事部長の西山尚孝氏と人事課長の林寛人氏に話を聞きました。

制度はある。でも、現場のリアルに寄り添えていない。

—— どのような課題を感じていたのでしょうか?

西山氏:

人事制度を導入したのは2003年。当時は「公平さ」と「キャリアアップの道筋」を明確にすることが目的でした。 しかし、富士急行グループの事業はこの20年で大きく広がり、鉄道だけでなくテーマパーク、ホテル、観光バスなど、職種も多様化しています。 同じ制度で全ての社員を評価するには限界がありました。 時代の変化や働き方の多様化に合わせて、もう一度“現場に根ざした人事制度”を考え直す必要を感じていました。

林氏:

現場では、「目標を達成したかどうか」だけでなく、日々の行動やお客様との関わりを評価してほしいという声がありました。 例えば、富士山駅や富士急ハイランドでの対応、観光客とのコミュニケーションなど、地域や季節によって求められるスキルが異なります。 そうした努力や工夫が評価に反映されづらかったのです。 さらに、上司がメンバーの成長を把握しづらく、フィードバックが属人的になってしまうことも課題でした。

“地域性”を理解してくれるパートナーと共に

—— 他社の人事コンサルティングも検討されたとのことですが、セレクションアンドバリエーションを選んだ理由は?

西山氏:

ご相談を進める中で、人事コンサルティングファームとしての引き出しの多さと、現場理解の深さに驚かされました。 鉄道や観光業といった公共性とサービス性の両立が求められる事業において、制度を“教科書どおり”に作っても機能しません。 セレクションアンドバリエーションさんは、当社の地域特性、社員構成、そして「富士山麓で働く誇り」という価値観を丁寧に理解し、制度に落とし込んでくれました。 結果的に、短期的な制度改修ではなく、サステナブルな制度運用を見据えた提案をしていただけたことが決め手でした。

現場を動かす「行動基準」と「言葉の力」

—— 制度設計にあたって苦労した点を教えてください。

林氏:

最も難しかったのは、「行動をどのように評価するか」という部分です。 コンピテンシーという言葉は聞いたことがありましたが、実際に自社で定義するとなると迷いがありました。 職種ごとの違いをどう吸収し、誰が見ても納得できる基準にするか。 議論を重ねる中で、評価制度を“人材育成の道具”として位置づける視点を持つことができました。

西山氏:

セレクションアンドバリエーションとのディスカッションでは、単なる制度設計だけでなく、「現場でどう使われるか」「説明に使える言葉は何か」を徹底的に考え抜きました。 富士山麓という土地柄、チームワークや安全意識、お客様との信頼関係といった“見えにくい価値”をどう表現するかも大きなテーマでした。 最終的に、説明にも教育にも使える分かりやすい行動基準にまとめることができました。

“富士急行らしさ”を人事制度に込める

—— 今後の方向性や、今回の改革で得た成果を教えてください。

西山氏:

2024年は人的資本経営の元年とも言われています。当社でも「人への投資」を経営戦略の中心に据えています。 これまでの評価制度では見えなかった社員の強みを可視化し、アップスキリング(能力向上)やキャリア形成につなげたいと考えています。 たとえば鉄道部門では運行管理や安全対応、観光部門ではホスピタリティや地域連携といった専門性が求められます。 それらをスキルマトリクスとして整理し、教育体系に落とし込むことで、社員が自ら成長を実感できるようにしたいですね。

林氏:

コンピテンシーを導入したことで、評価と教育がつながりました。 以前は「評価のための評価」になりがちでしたが、今は「育成のための評価」として機能しています。 特に、地域で活躍する若手社員のモチベーション向上が大きな成果です。 “富士山麓で働く自分の仕事が、地域の価値を支えている”という実感が生まれています。

ESGの観点も取り入れた新しい評価のかたち

—— コンサルティングを通じて印象に残ったことはありますか?

西山氏:

とにかく、当社の文化や価値観を深く理解してくださったことです。 議論の中で生まれたのが、ESGの観点を評価に取り入れる「加点制度」です。 本業以外での地域貢献活動やチームサポートなど、目に見えにくい努力をしっかりと評価する仕組みを設けました。 “地域に生きる企業としての誇り”を評価に結びつけられたことは大きな進化だと思います。

また、運用面でも「目標管理から自己評価を外す」「評価者研修を実施する」など、運用の透明性と納得感を高める工夫を取り入れました。 制度設計から実装まで伴走いただき、社内にも“人事制度は現場のためにある”という意識が浸透しつつあります。 地域に根ざす企業として、今後も富士山麓から「人を活かす経営」を実践していきたいと思います。

※所属・肩書等は 取材当時のものを記載しております。

富士急行株式会社 インタビュー|富士山麓の人事制度改革事例
企業名
富士急行株式会社
発足
大正15年9月18日
資本金
9,126百万円
社員数
グループ全体 2,760名(2023年3月現在)
事業内容
運輸業、レジャー・サービス産業 、不動産業、その他事業(百貨店業、建設業、情報処理サービス業、製造業など)
今回ご提供したサービス
組織・人事制度設計
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