セレクションアンドバリエーションの支援を得て人事制度を導入した当時の課題や今後について、人事部長の西山尚孝氏と人事課長の林寛人氏に話を聞いた。
コンサルティングングファームとしての引き出しが非常に多かった
——まずは人事制度を改革するにあたって、どのような課題を認識されていたのか教えていただいてもよろしいでしょうか?
西山氏:
これまでの人事制度を導入したのが2003年のことでした。しかしそれから20年が経過し、徐々に制度が形骸化してきていました。今の時代に合わなくなってきたことからも、制度の見直しが必要だと考えました。
林氏:
現場からは、目標の達成度だけではなく、日々の業務や現場力を評価したいという声がありました。また職種を超えた異動が多い中、職種や役職によらず統一の評価制度になっていること、上司が評価の進捗管理を把握できないことに課題を感じていました。
——他社の人事コンサルティング会社やサービスも検討されていたかと存じますが、弊社を選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか?
西山氏:
相談をさせていただく中で、コンサルティングングファームとしての引き出しが非常に多いことが一番の決め手となりました。何を聞いても答えを返してくださること、当社の現状をしっかりと理解されていることなどから、サステナブルを念頭に置いた制度改革をお任せできると考え、ご依頼するに至りました。
——どのような点に苦労されましたか?
林氏:
自社のみで評価基準としてのコンピテンシーを検討することに難しさを感じていました。採用や育成において重要となる指標ですが、そもそもどのように考え、整理してゆけばよいかに迷いがありました。
西山氏:
そんな中でセレクションアンドバリエーションと一緒に検討を進めることによって、検討のフレームや指標の選択肢、わかりやすく導入するための記述など、説明と実務双方に使える形で設計できたと実感しています。
富士急行株式会社らしさとは何か?そして今後の展望について
——会社として今後何を目指されるのでしょうか?
西山氏:
今年は人的資本経営の元年となります。人的資本を定義し、アップスキリングを中心に教育改革やエンゲージメント向上、ダイバーシティを推進していきたいですね。特に重要なことは一人ひとりの能力を高めるアップスキリングだと思っています。仕事ができるだけではなく経営スキルが必要とされてきています。
林氏:
また、これまでの仕組みでは、評価基準と教育との関わりが不明瞭でした。しかしコンピテンシーは分かりやすく良い基準になります。社員一人ひとりの能力の可視化は、今回の制度改革の大きなポイントとなりました。
西山氏:
今回、コンピテンシーを導入したことで、スキルマトリクスを意識した教育を取り入れられることや、システム化することによるマネジメント力の強化にも期待しています。
——弊社のコンサルティングへの感想をお聞かせください。
西山氏:
弊社に対する理解度が大変高かったです。富士急行株式会社らしい評価とは何か、という話の中からESG評価の新設へと繋がったんですよね。 加点方式で仕事以外の部分を評価する、というのも面白い試みでした。各工程では目標管理から自己評価を外したり、評価者研修をしっかりと行いたい、など様々な相談をさせていただきましたが、弊社に合ったアドバイスをいただくことができました。人事に関する専門性はもちろんのこと、他社事例をたくさんお持ちでコンサルタントとしての人柄も良く、細かいところまでサポートしていただき感謝しています。ありがとうございました。
- 企業名
- 富士急行株式会社
- 発足
- 大正15年9月18日
- 資本金
- 9,126百万円
- 社員数
- グループ全体 2,760名(2023年3月現在)
- 事業内容
- 運輸業、レジャー・サービス産業 、不動産業、その他事業(百貨店業、建設業、情報処理サービス業、製造業など)