飲食店経営者が押さえておきたいマネジメントポイント | 人事制度設計と人材育成の人事コンサルティング会社 セレクションアンドバリエーション
企業ロゴ画像
企業ロゴ画像

トピックス

飲食店経営者が押さえておきたいマネジメントポイント

セレクションアンドバリエーションではこれまで多種多様な業界の人事制度設計に関わってきました。

人事制度を変えるきっかけは様々ですが昨今では少子高齢化や女性の社会進出、政府による働き方改革の推進により、人事インフラの整備を急ピッチで行う企業が増えてきました。そのような環境の中、大きな転換期を迎えているのが飲食業界ではないか。と弊社は考えています。女性の雇用増加や生活形態の多様化により、外食や中食、デリバリーといった食の外部化が一段と加速し、デフレーションによる消費者の低価格志向が強まりました。また、SNSの発達により、商品だけでなく、店の雰囲気やサービスなど顧客が求める「価値」を提供することが消費者の店舗選択の基準となっています。店舗に求められる基準はより高まり、変化に対応できないお店は業界から淘汰されてしまいます。生き残るためだけでなく、成長し続けるためにも、改めて、変化を的確に捉え、将来に向けた一つの施策として人事インフラを準備・改革していく必要があると弊社は考えます。

 

本内容では、飲食業界が現在どのような環境変化に直面し、今後どのようにすれば継続的に利益を出し続け、成長し続けられるのか、人事インフラの観点からご紹介します。

 

 

 

INDEX

1.外食産業の推移

 

2.飲食業界の課題

 

3.成長し続ける店舗の特徴

 

4.収益性を高めるための3つの施策
5. まとめ

 

1.外食産業の推移

外食産業の売上は一世帯あたりの消費支出や法人の交際費により左右されます。2020年に起きたCOVID-19により、お酒の提供制限、時短営業がやむを得ない状況となり、今もなお、多くの飲食店が厳しい環境の中、ご尽力されているのが現状です。

しかし、過去の推移を確認すると2011年に東日本大震災による直接的な被害や外食の自粛ムード、原発事故による風評被害により一時、売上は落ち込みましたが、その後は政府のデフレ脱却を目指した景気対策などによって2019年まで右肩上がりに市場は推移してきました。

本セミナーの前段として「なぜこのように市場が拡大したのか。」「COVID-19後も市場は拡大するのか。」将来予測も含め、外部市場との関係を確認していきます。

飲食店経営者が押さえておきたいマネジメントポイント

 

2.飲食業界の課題

飲食業界は開店3年以内の倒産は3割、10年以上続くお店は1割にも満たない非常に厳しい業界です。売り手や買い手の志向も変化し、ここ10年で大きな変革を求められてきました。それらの要因について飲食業界を取り巻く外部要因を整理してみましょう。

 

⇒参入障壁の低さ

このような厳しい環境を招いている理由の一つに参入障壁の低さが挙げられます。

アメリカではニューヨークをはじめとした都市において飲食店における酒類販売に関するリカーライセンスのルールがあり、エリアで出店できる数が限定されています。ベトナムのホーチミンでも繁華街ではエリア内で飲食店の営業許可の発行数が決まっており、どこかが潰れるか、営業許可ごとM&Aをしなければ新規開業ができません。そうした中、日本では諸外国と比べ、参入障壁が低く、少額の資本で開店できることから競合他社も後を立たないのが現状です。

 

飲食店経営者が押さえておきたいマネジメントポイント

 

⇒代替商品の脅威

現在では共働き世帯が一般的となり、10年前に比べ、約400万人の女性が社会進出、高齢化比率も30%を超えています。なかでも中食の需要は顕著に伸びており、コンビニやドラッグストアも冷凍食品や惣菜の品揃えを強化することで売上を増加させています。

それらのニーズを獲得するためには外食産業だけでなく、内食や中食の需要も獲得していくことが必要となります。

 

⇒買い手の脅威

顧客が飲食店を調べる際の情報源はインターネットが主流となっており、ぐるなびや食べログなどのサイトを使用した予約は直近5年で2倍に伸長しています。SNSや食べログなどの口コミ情報も売上に直結する非常に重要なポイントです。

また、お客様の約8割はリピート来店であることから新規顧客への宣伝だけでなく、お店の雰囲気やサービスレベルも高める必要があります。また、昨今の消費者は低価格志向が強くなったと言われる一方、安さだけを売りものにして商品やサービスをないがしろにしたお店は淘汰されています。既存顧客はお店の雰囲気やサービスなどの総合的な評価を踏まえてリピート顧客となるのです。店頭販促や店舗オペレーションのレベル向上を行うためにも従業員さんの育成を行うことは必要不可欠となるでしょう。

 

飲食店経営者が押さえておきたいマネジメントポイント

 

 

⇒売り手の脅威

外食業界の平均的な食材費に占める割合として最も多い品目は「加工食品等(半加工品、製品」で33%、ついで「水産物(生鮮・冷蔵・冷凍)」で28%、「畜産物(生鮮、冷蔵、冷凍)」で18%となっており、これらで全体の約8割をしめています。今までは卸売業者からの販売がメインとなりましたが、2017年に政府、与党からの要請もあり、「全農改革」の一貫として農家の収益を増やすため、卸売に頼らない直売化が進んでいます。

お客様もインターネットによる情報開示によって産地や安全性、生産者の顔までを意識する時代となり、今後、生産現場から質の高い商品を仕入れることは重要なポイントとなります。

大手チェーンではワタミやモスバーガーが生鮮野菜の安定した調達を目指し、農業生産法人も立ち上げていることも時代が変わりつつある大きな要因といってもよいでしょう。

飲食店経営者が押さえておきたいマネジメントポイント

3.成長し続ける店舗の特徴

前述の外部変化も踏まえ、消費者の志向は、安ければよいという「低価格志向」から「価値志向」へ変化しているといわれています。確かに、低価格だけでは多様化する消費者のニーズには対応できません。

外食産業に対しても、単に商品であったり、サービスであったりと従来型の価値意識にとらわれない自由な発想による新しい価値の創造が外食産業全体の活性化につながっていくと考えます。

では、そのような環境化で10年以上成長し続けているお店はどのような特徴があるのでしょうか。

後述でその詳細を紐解いていきましょう。

 

飲食店経営者が押さえておきたいマネジメントポイント

 

一般的に成長し続けているお店は立地やリピート(コストパフォーマンスやフレンドリーサービス)、収益性(食材費や人件費が適正である)が整っています。

 

⇒立地

飲食店では約4割の飲食店が現在の立地に何かしらの不満を抱えています。

理由としては「通行量が少ない」こと、や「視認性が悪い」、「コンセプトと立地があっていない」ことがあげられます。

例えば自店がゆっくり食事を楽しむような高価格帯のコース料理を提供するお店であるにもかかわらず、学生が多く住むようなエリアに出店しても固定客は見込めないでしょう。反対に、高級住宅が多いエリアであれば、ランチをゆっくり楽しみたい主婦層に受け入れられるかもしれません。

このようにコンセプトにあったお店をいかに集客が見込める場所に出店するかが”立地が良いお店“の条件となります。

 

⇒リピート

飲食店にとって新規の顧客を開拓することは非常に大切ですが、それ以上に重要なのがリピーター作りです。リピーターになってくれるということは、お客様が魅力を感じてくれているということです。人は本当に良いと感じたお店については、誰かに教えたくもなるし、連れて行きたくもなります。さらにリピーターの中には、SNSで情報を発信してくれる人もいるかもしれません。リピーターを大切にすることで、飲食店にとっては良いスパイラルが生まれるます。

そして来店されたお客様へは”価値”に見合った商品提供を行います。例えば牛丼チェーンの吉野家では”上手い””早い”“安い”をコンセプトにお客様の”価値”に見合った”価格””サービス”で商品提供することで圧倒的人気を確立しました。このようにコンセプトを明確にし、リピート率を高めていくサイクルを回すことが成長し続けるためには必要となります。

 

 

⇒収益性が高いお店の特徴

経済産業省の報告では、飲食店全体の営業利益率は平均で8.6%となっていますが中には、利益率が30%を超えている飲食店も存在します。もちろん業態によって高い低いの差はでるのですが10年以上続いているお店は収益性の観点でみても非常に高い数値となっています。収益性をあげるためには“食材費を抑える””高利益メニューをつくる“”人件費を抑える””家賃を抑える”などが考えられます。ただし、一度選択した立地や仕入先などは変更しづらいこともあると思います。

本セミナーでは”ヒト”の活躍に焦点をあて以下に少ない資源の投資で得られた成果を大きくするかを考えます。

 

4.収益性を高めるための3つの施策

弊社にご相談される企業も共通の悩みとして”各店舗の基準が明確になっていない”“優秀な人材が離職”してしまうという悩みをよく耳にします。

(よくあるご相談内容)

飲食店経営者が押さえておきたいマネジメントポイント

 

こうした悩みを解決するためには

①採用手順や立上後の教育体制を整えることでLaborcostsを下げる。

②シフト管理・作業割当による効率化を図る。

③キャリアパスを明確にし、計画的育成を実施する。  ことなどが考えられます。

 

 

1つ目のLavorcostsを抑えるという点では採用コストや立上コストの適正化をまず行います。

例えば採用基準では目的や要件、採用選考時に何を注力して行うかを確認します。

 

飲食店経営者が押さえておきたいマネジメントポイント

次に採用後の教育体系では何をいつまでにどのくらいで教育を行うかを明確に設定します。店舗オペレーションの習得は基本的には先輩社員が後輩社員を教えるOJTがメインとなりますが下記のような基準がなければダラダラと教育を行ってしまい、立ち上げコストが大きくかかってしまいます。

飲食店経営者が押さえておきたいマネジメントポイント

また、店舗全体のレベルを上げていくためには階層別の教育体系を整えておくことも必要です。

この階層とは「見習い」や「一般」「副店長」「店長」といった各従業員の役職や立場のことであり、この階層に応じて適切な研修内容を実施していきます。 例えば、「見習い」なら企業理念(コンセプト)やオペレーションの実務、「一般」なら飲食店の基礎知識、コミュニケーション研修、「副店長」ではコーチングや売上日報の作成、「店長」では部下への接し方などを踏まえた「フィードバック研修」などを行います。

飲食店経営者が押さえておきたいマネジメントポイント

このように設定することで個人のスキルアップだけにとどまらず、店舗全体のレベルを底上げすることにも繋がっていきます。 こういった特性から、階層別研修は店舗および企業の「底上げ教育」とも呼ばれています。

次に2つ目のシフト・作業管理に関してはまず、適正な人員数を確認していくことが必要です。

人員数は大きく客数から検討する方法と売上から検討する方法があります。

 

 

飲食店経営者が押さえておきたいマネジメントポイント

3つ目は人材不足に対する解決策です。

弊社でご支援させていただいている企業のなかでも一番多い問題がこの「人材不足」です。

このような問題には大きく2つのアプローチを行います。一つは人材育成の観点からのアプローチ、もう一つは労働条件の観点からのアプローチです。

人のモチベーションを高める要因には不満足に働きかける要因(衛生要因)と満足に働きかける要因(動機づけ要因)があると言われますが人材育成は満足に働きかけ、労働条件は不満足に働きかけます。どちらか片方ではなく、両方に働きかけることで人材流出を防ぎ、優秀な人材を育成することができるのです。

 

飲食店経営者が押さえておきたいマネジメントポイント

人材育成や労働条件は店舗ごとに内容は異なりますがキャリアパスの整備という観点では共通している部分もあると考えます。ここで成功しているお店の仕組みを確認してみましょう。

飲食店経営者が押さえておきたいマネジメントポイント

これは3店舗以上を経営されている方に是非参考にしていただきたい、キャリアパスです。店長でのキャリアだけでなく、自分のお店をもてる独立支援や店舗をまとめるマネージャーポジションも用意することで将来的なキャリアが明確となります。

また、これらの制度を作成するには評価や報酬、教育と連動した制度を作成していくことがポイントです。

 

飲食店経営者が押さえておきたいマネジメントポイント

是非、本セミナーで具体的な人事制度構築方法をご聴講いただければと思います。

 

 

5.まとめ

ここまで飲食店経営をする際に留意すべき点についての施策をお話してきました。

本ページでは収益性に特化した施策の紹介がメインとなりますが経営をするうえで一番重要なことは経営者の皆様の「志」だと考えています。社会にどのような影響を与えていきたいのか。10年後、20年後にどのような会社にしたいのか。そのためにどのような社風にするのか。その「志」こそが従業員の皆様ひいては顧客の皆様を引きつけるものであると思っています。弊社は「本気の変革を実現する人事コンサルタント」として皆様の熱い思いを少しでも経営資源であるヒトの環境整備という視点でお手伝いできればと思っています。長くなりましたがご査収いただき、ありがとうございました。

 

■さいごに

セレクションアンドバリエーションは、企業と個人の成長をあたりまえにする人事制度の設計と運用を支援しています。淘汰と多様性を生み出すための人事マネジメントの改革で企業とビジネスの進化(成長と発展)をお手伝いしたい。それがセレクションアンドバリエーションの願いです。

 

Back to Index