はじめに~離職率15%時代の現実~
「せっかく採用した社員がすぐ辞めてしまう」
「退職の理由を本音で語ってくれない」
こんなお悩み抱えていませんか?
厚生労働省の調査によれば、年間で平均して7人に1人が退職する(離職率15.4%)のが一般的な水準です。一定の人材流出はどの会社でも起き得ます。
しかし大切なのは、会社にとって本当に必要な人材が定着し、組織が持続的に成長していくこと。そのためには「辞めてほしくない人材」が辞めない環境をつくることが欠かせません。
離職には必ず前兆があります。今回は、 “辞めさせない会社”に共通する3つの仕掛けを紹介します。
「辞めさせない会社」に共通する3つの仕掛け
離職を食い止める最大のカギはエンゲージメントです。
有名な調査によると、エンゲージメントが高い企業は低い企業に比べて営業利益率が約3倍になるといわれています。単なる「一時的なやる気」ではなく、長期的に心身の健康と貢献意欲を維持できるからです。
では、エンゲージメントが高い企業に共通するものは何でしょうか。
セレクションアンドバリエーションは、承認、つながり、成長実感の3つが整っていることだと考えています。
承認の仕掛け:「認められている」と感じられること
皆さんは「承認」と聞くとどんな場面を想像しますか?
成果を出した人や昇進した人だけが認められると思いがちですが、実は土台になるのは「存在そのものを認めること」です。
日常のちょっとした会話や「ありがとう」の一言が、社員の自己肯定感を高めます。褒めるよりも感謝を伝えることの方が、自発的に動こうとする内発的なモチベーションにつながります。ダニエル・キムの「成功の循環モデル」にもあるように、良い行動や成果の前には必ず「関係の質の向上」があります。その起点になるのが承認なのです。
つながりの仕掛け:「ここにいたい」と思えること
次に大切なのが「つながり」です。
離職理由で最も多いのは人間関係といわれています。上司との関係が注目されがちですが、実は同僚との横のつながりも見過ごせません。
特に「半径3メートル以内の人間関係」が個人に強い影響を与えることが分かっています。例えば、近くに愚痴や不満が多い人がいると、自分の気持ちまで沈んでしまうことがあります。逆に、身近に「この人のようになりたい」と思える人がいるだけで、前向きに仕事に取組め、将来のキャリアの描き方も変わります。
そのため、部署を越えたシャッフルランチや、ちょっとした社内カフェタイムなど、横の交流を生み出す仕掛けは効果的です。小さな工夫でも「ここに仲間がいる」と感じられるだけで、会社に残りたい気持ちはぐっと高まります。
成長実感の仕掛け:「頑張りたい」と思えること
最後のポイントは「成長実感」です。
優秀な人材ほど「ここでは成長できない」と感じると辞めてしまいます。
忙しい日々の中で「何のために働いているのか」「誰の役に立っているのか」が見えにくくなると、モチベーションは下がってしまいます。
だからこそ、会社や上司が「あなたの仕事が組織の成長につながっている」と伝えていくことが大切です。
具体的には、1on1面談や日々のコミュニケーションを通じた振り返りや社内勉強会、評価制度を使った「過去の自分との比較」など。さらに、自分の仕事と組織の方針をつなげて考えられるようになると、「もっと頑張りたい」という前向きな気持ちにつなげられます。
まとめ~辞めさせない組織づくりの第一歩~
社員が辞めない会社には共通点があります。
それは、承認・つながり・成長実感の3つが整っていること。
この3つを仕組みとして整えれば、離職防止だけでなく組織全体の業績向上にもつながります。
ただし、実際に導入するには各社の風土や課題に合わせた調整が必要です。
セレクションアンドバリエーションでは、本記事を読んでお問い合わせいただいた方限定で「組織健全度診断レポート」や実践のヒントをご提供しています。
「自社に合わせた仕組みを知りたい」と思われた方は、まずは診断だけでも受けてみませんか?
ぜひお気軽にお問い合わせください。


