エンゲージメント向上で利益率3倍を目指す経営改革
昨今、健康経営やリモートワークの推進、労働法の改正、離職防止など様々な観点からエンゲージメントが注目されています。
働く従業員の価値観は、従来の『安定・長期雇用思考』から『成長・やりがい志向』へ変化しています。コストとしての従業員管理ではなく、一人一人を成長させ、組織の成長を実現する経営が求められています。
そのためには、エンゲージメントの定量的な確認と、課題に基づく段階的改善が必要です。
定量化され可視化されたエンゲージメントからは、従業員一人ひとりが企業や組織をどれくらい信頼し、成長に向けてどれくらいの意欲を持っているかが具体的にわかります。だからこそ、業績に貢献し、企業の永続的な発展を支援するための変革が可能になります。
このページではエンゲージメント可視化のポイントや具体的なメリットについて、丁寧にご説明します。
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INDEX
1.なぜ今エンゲージメントへの着目が必要なのか
・環境の変化
・企業で起きている問題
・エンゲージメントに取り組む目的
・業績とエンゲージメントの相関
2.エンゲージメントが高い企業の特徴
・方向性の明示
・ビジョンの必要性
・マネジメントレベルの向上
・組織の成功循環モデル
・マネジメントの変化
・リスペクティング行動
・Googleから学ぶ変革のポイント
3.分析結果から施策反映までの流れ
・調査概要
・小項目の内容
・優先順位の明確化
・セグメント別に違いを確認する
・変わったことを確認する
・継続的に実践することで成果に繋げる
1.なぜいまエンゲージメントへの着目必要なのか
(環境の変化)
近年、少子高齢化や女性の社会進出などにより、働き方は大きく変化しています。また、副業解禁やCODIV-19によるリモートワークの進化など働く人の価値観も大きく変化しているのではないでしょうか。特に現在では「ミレニアム世代」「Z世代」と呼ばれる人たちが社会で活躍しています。この世代はデジタルネイティブであり、インターネットで世界の様々な情報を取得できることが当たり前の環境で育ってきました。企業は過去の安定・長期雇用を前提とした日本の雇用スタイルを維持するのではなく、多くの情報から成長や働きがいを求める個人の価値観を支援することが求められています。
今までの画一的なマネジメントではなく、個々の思いを大切にし、組織としてのあるべき姿を明示していくことで「組織に貢献したい」と思える環境づくりを行っていくことが重要になります。それこそが個人と組織の成長の方向性が連動し、互いに貢献し合える関係を構築するエンゲージメントが注目されてきた背景なのです。
(企業の悩み)
私達がご支援をさせていただくなかでも環境変化に伴う多くの悩みを経営者や人事担当者からお聞きします。下記内容は一例にはなりますが皆様の会社でも何かしら当てはまる項目があるのではないでしょうか。
企業により組織課題は様々ありますが人材の流動性が高まっている昨今「優秀な人材を採用」し、「自社でいかに活躍」していただくかは大きなポイントとなります。具体的な採用基準や給与水準を見直す前にまずは「自社の魅力は何か」「他社との違いは何か」を明確にすることでアピールすべきポイントが明らかになるでしょう。実際、自社の魅力ででてきた項目こそエンゲージメントが高く、改善が必要な項目こそがエンゲージメントが低い項目となる傾向もあります。
自社のアピールポイントを分析する際、特定の従業員にインタビューすることが考えられます。ただし個人インタビューでは、個人の意見と実情が大きく乖離している場合があるため、現場の声を丁寧に、漏れなく聞き出すためにもアンケートによる定量的な測定を弊社ではおすすめしています。
(エンゲージメントに取り組む目的)
ここまで昨今の環境変化やよく聞く企業の悩みなどをお伝えしていきました。それらを踏まえ、エンゲージメントに取り組む目的を改めて押さえておきたいと思います。
エンゲージメントの目的は「個人の価値観を受け入れること」や「個々の不満を解消すること」ではありません。あくまで「企業の業績向上に貢献すること」にあります。エンゲージメント領域におけるパイオニアであるウイリス・タワーズワトソン社の調査結果でも業績とエンゲージメントは高い相関があることが示されています。
※持続可能なエンゲージメント・・・業務を効率的に行える環境、心身の健康などを指す
日本ではエンゲージメントと似た概念として従業員満足度調査がありますが大きな違いは「業績との相関の有無」です。エンゲージメントは「会社が目指す方向性に共感しているかどうかを示す指標」であるのに対し、従業員満足度調査は「会社が与えるものに従業員が満足しているかを示す指標」を指しています。つまり、会社視点か従業員視点かの違いがあるのです。あくまで会社に貢献することを前提にした取り組みこそがエンゲージメントなのです。
2.エンゲージメントの高い企業に共通する特徴
弊社では企業規模問わず、様々な業種のエンゲージメント測定を行っています。項目ごとに高い低いはありますが相対的にエンゲージメントが高い企業には2つの特徴があることがわかりました。
(エンゲージメントに取り組む目的)
エンゲージメントの高い企業に共通する1つ目の特徴は企業が存続するうえで重要となるビジョン(何を実現したいのか)やそれに伴うバリュー(どのような価値を提供するの)が社員へ浸透していることです。弊社のメイン業務である人事制度構築ではエンゲージメント調査に加え、インタビュー調査なども実施させていただくことがあります。その際、ビジョンが浸透している企業では多くの社員が物事の良し悪しを判断する基準が統一されている印象をうけます。例えば「顧客第一」を掲げている企業では常に主語は「顧客」でそのために必要な行動を取れているかを基準にお話をされます。ビジョンは企業の行き先であり、働く社員の基準となります。
従業員数が多くなるほど、浸透は困難になると言われていますが大企業ではプロジェクトチームを立ち上げ、半年から一年間かけて行動基準や目標に落とし込みを行っているところもあります。浸透させるうえで大事なことは経営者からしっかりと社員全員へ目標を周知することです。一回の発信ではなく、定期的に発信することでその効果は増大します。
改めてビジョン浸透を検討される企業様は2つの観点で取り組まれるといいでしょう。
1つは経営者自らが発信することです。
経営の舵取り役は経営者である社長に他なりません。思いも人一倍持たれていることでしょう。経営者が直接発信することで従業員の皆様は認識の齟齬なく、聞き入れることができ、それこそが業務を進めるうえでの判断軸となるのです。
2つ目はできるだけ多くの社員を巻き込むことです。
業績に貢献する行動を増やすためには社員一人ひとりに「当事者意識」をもっていただくことが必要不可欠になります。会社の一員であるという自覚を与えるとともに「どのような行動」をとるべきかアクションプラン策定までを支援していくことおすすめします。
(管理職によるマネジメントの徹底)
2つ目の特徴は管理職によるマネジメントが徹底していることです。
高いエンゲージメントの企業では「上司から部下への指示が徹底している」ことに加え、「部下から上司に対して意見を伝えることができる環境」であることが特徴的です。
組織の成果に繋がる意見であれば部下の意見を取り入れていくというスタンスが、高いエンゲージメントの企業には存在しているのです。
マネジメントの定義は様々ありますが弊社では「人の強みを生かし、組織の成果につなげる活動」であると考えています
プレイヤーとして優秀な方が管理職になった際、結果を求めるあまり人材育成の観点が抜け落ちてしまうことがあります。これは、マネジメントのアプローチ手順を理解できていないことが原因です。数値的な目標達成を追い求める前に部下との関係を構築する必要があるのです。マネジメントは相互理解を深めることこそが第一ステップとなります。
まずは部下がどのような人間なのか、どういう価値観をもっているのかをしっかりと確認し、部下を受け入れ、できていない行動を丁寧に指摘してあげてください。それこそが部下の気づきであり、行動を変えるきっかけになるからです。
※ダニエル・キムの「組織の成功循環モデル」を参考に作成してます
高いエンゲージメント企業であるGoogleではチームが成功するための要因として以下の5つをあげています。
なかでも心理的安全性は他の4つの基盤となる非常に重要な指標であることが確認されています。まずは相手の意見を尊重し、メンバーとして受け入れられていることこそが重要であり、マネジメントのスタートであることがわかります。
3.分析から施策反映までの流れ
(調査概要)
弊社では経営課題を4つの領域に分類し、全64問のwebアンケートで、顕在化していない人事課題を洗い出します。その際、満足度だけでなく、重要度についても質問することで優先的に取り組むべき課題が何か明確にします。
下記は具体的なアウトプットイメージになります。全体結果や個別分野ごとの結果を確認しています。
ただし、全体の結果だけでは現場レベルなど詳細な傾向までは読み取れないことがあります。そこで部署や職種、役職別など様々な切り口で満足度や重要度を確認していきます。そうすることでセグメントごとの違いが明確になり、具体的改善方法を検討しやすくなります。
下記は一例になりますが、弊社では組織人事のプロフェショナルとして緊急度の高い項目に対する具体的改善策までをご提案しています。またこれらを単年度の取り組みとするのではなく、継続的に取り組むことで長期的な会社の発展を下支えすることも可能です。
※調査は回答から分析結果報告まで4週間で行っています。
4.まとめ
ここまでエンゲージメントに取り組む目的や背景、エンゲージメントが高い企業の特徴などを示してきました。組織課題は企業により様々ですが現状を知るための一つの手段としてエンゲージメントサーベイから社員が組織に求めていることを明らかにし、段階的に課題を改善していきましょう。
より具体的な他社事例は、セミナーでお伝えしています。
是非、参考までにご覧いただけますと幸いです。
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セレクションアンドバリエーション株式会社 代表の平康慶浩(ひらやすよしひろ)による、日本経済新聞社サイトNIKKEI STYLE連載でも企業における人事戦略について言及しています。
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