給与レンジを設定するとき、下の行動等級の上限給与額と上の行動等級の下限給与額を同一にすることが基本となります。 これを「接続型の設計」といいます。
この表では、各行動等級の給与レンジ幅がちょうど重ならないように設定しています。このような仕組みが「接続型」です。 給与レンジを設定するときは、まずこの接続型を基本としましょう。
給与レンジを接続型にする一番のメリットは、上の行動等級に昇格したい、という意欲を従業員に与えられるということです。同じ行動等級にいる限り、給与レンジの上限額より上には給与が増えません。だからこそ、従業員は昇格のために努力するようになります。 一見厳しい仕組みの様ですが、意欲と能力のある人財にとっては喜ばれる仕組みです。
もしこれを一部重複させたりすると、場合によっては部下が上司よりも給与が多い、という事態が生じます。実際に多くの古い人事制度の企業ではそのようなことが起きていました。その結果、昇格しなくても今のところでのんびりしていたい、という従業員を増やしてしまった場合すらあります。
給与レンジを設定する会社側のメリットは、人件費がコントロールしやすくなることです。基本となる給与レンジは行動等級に合わせて設定するので、等級毎の人数をきっちりとコントロールしていれば、人件費額も自然にコントロールできるようになります。そして人件費額をコントロールできる、ということは、事業計画における人件費の推移を予測しコントロールできるようになる、ということでもあります。