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上場企業役員制度設計

1.コーポレートガバナンスの本質を踏まえた役員制度設計

1-1.何のための役員制度設計なのか?

コーポレートガバナンス・コードが2015年に制定されてから現在に至るまでの間、コーポレートガバナンス・コードに沿ったガバナンス体制を構築すべく、上場企業においては役員に係る諸制度について、その形式が着々と整えられつつあります(※)。

(※)「社外取締役の増員」、「株式報酬の導入」、「取締役のスキルマトリクス開示」、「役員報酬の決定方針の開示」など

こうした取組みを進めていく、または検討することは、株式市場からの要請を踏まえると大変重要なことではありますが、ここで一度立ち止まって考えていただきたいことがあります。

それは、「何のための取組み(制度設計)なのか」ということです。

形式的な取組みにより、経営の透明性を確保することはできますが、果たしてそれでコーポレートガバナンスの本質をとらえているといえるでしょうか?


 

1-2.企業価値向上のトリガーとなる「仕組みとしての」役員制度の重要性

そもそも、コーポレートガバナンスの本来の目的とは何でしょうか?

解釈・表現の仕方は様々ですが、ここでは、コーポレートガバナンスを以下の通り定義します。

企業価値を中長期的に向上を目指し、株主を含めた様々なステークホルダーの立場を尊重しながら、透明性と公正性をもって、経営視点で迅速かつ機動的な意思決定を行うための企業統治の仕組み

つまり、従来のような企業内部の短期的な利益追求にとどまらない、あらゆるステークホルダーへの説明責任を果たしながら、株式市場・社会とともに持続的な成長を実現していくために必要なガバナンス体制を構築していくことが今まさに求められているのです。

 こうした観点で皆さまのこれまでの取組みまたはこれから取組まれようとしている施策はコーポレートガバナンスの本来の目的沿ったものとなっているでしょうか?

・「社外取締役の増員は、意思決定の公正性を高めることにつながっていますか?

・「株式報酬の導入は、自社の経営戦略と連動したものになっていますか?

・「スキルマトリクスは一覧を開示しているだけで終わっていませんか?本来どのように活用していくべきものでしょうか?

・「役員報酬の決定方針は、株式市場に対して、納得性のある、わかりやすいものになっていますか?


 

1-3.形式だけではない、実質を備えた制度設計を請け負います

弊社セレクションアンドバリエーションでは、競合他社調査を含めた内外環境の調査分析を踏まえて、中長期的な企業価値向上のために真に必要な役員制度とは何なのか、を明らかにしていきます。

そのうえで、豊富な支援実績を基に、社外取締役を含めた社内でのコンセンサスをとりながら、株式市場に対しても納得度の高い制度改定を進めてまいります。

本ページでは、役員制度改定に係る弊社の強みやプロジェクトの主な進め方など、サービスの一端をご紹介させていただきます。ご興味・ご関心を持っていただけましたらお気軽にお問い合わせください。

 
 

2.セレクションアンドバリエーションによる役員制度設計のポイント

弊社の役員制度設計コンサルティングサービスは、企業特性に応じた役員体制の設計から企業価値向上に資する報酬体系の策定、さらには制度の実行支援に至るまで、一気通貫でご支援させていただきます。

制度設計を通じて、組織の持続可能な成長と株主価値の最大化を目指し、制度の透明性と公正性を重視した設計をご提案します。

※もちろん、役員報酬制度の設計のみ、といった部分的なご支援も可能です。

2-1.機関設計や企業の特性にあわせたプロジェクト推進

企業の成長段階や組織形態、機関設計によって、必要とされる役員制度は大きく異なります。特に、非公開会社であればその公開情報は限定的です。

弊社では、オーナー会社から完全子会社や上場子会社、非上場会社といった多種多様な企業のあり方に対し、豊富な支援実績がございます。

ステークホルダーの要望を踏まえながら、それぞれの企業の特性を的確にとらえた柔軟な対応が可能です。

2-2.外部調査を基にしたファクトベースでの設計

制度設計に先立ち、国内外のベンチマーク企業および最新の業界動向等、ファクトに基づく外部調査・分析を実施します。

外部調査・分析結果と自社の経営状況及び役員の状況を比較整理することで、現状とのギャップが客観的に明らかになります。

これにより、その後の制度設計のファクトベースのアプローチを取ることで、決定過程における主観性を排除し、客観的な評価と透明性を確保します。

2-3.持続的な成長基盤を創るための組織へのアプローチ

プロジェクトの意思決定過程において弊社では、事務局はもちろん、社外取締役を含めた経営層とも密に、何度もコミュニケーションをとってまいります。

これは、単なる仕組みの構築に留まらず、企業の持続的な成長基盤を構築するための本質的な解決策について、まずは経営トップ層と認識を合わせることを重視しているためです。 こうした取組みにより、制度そのものの構築だけでなく、組織一体的かつ機動的に経営課題に対応していく機運を経営層間で醸成することにもつながります。

3.役員制度設計コンサルティングの5ステップ

弊社の役員制度設計コンサルティングサービスでは、以下5つのステップで進めていくことが基本となります。

※あくまで基本形であり、プロジェクト期間・詳細タスクについてはご依頼内容に応じて柔軟に対応いたします。

 
 

第一ステップ;「最新のコーポレートガバナンスの動向と現状とのギャップを踏まえた制度設計方向性の整理」

経営戦略や現行制度(報酬制度、役員の任期・構成、役割分担など)の評価、経営陣へインタビューなどを通じて、組織のビジョン、目標、および課題を把握します。

さらに、最新のコーポレートガバナンスの動向を調査し、国内外の法令、規制、ベストプラクティスを精査し、上記現状を踏まえながら、制度改定の方向性を整理します。

また、並行して、社外取締役を含めたステークホルダーの意見や要望を適時収集し、盛り込んでいきます。

第二ステップ;「役員体制・役員報酬に関する外部調査」

第一ステップで明確化した設計方向性を踏まえながら、貴社の役員体制および役員報酬の実態を業界ベンチマーク企業と比較分析し、競争力を高めるための具体的な改善策を提供いたします。(第二ステップは第一ステップと同時進行させる場合もあります)
以下に、具体的なサービス内容をご紹介いたします。

  • 現行制度と業界ベンチマークの比較分析:
    貴社の役員体制および役員報酬制の実態を、同業他社や業界のベストプラクティスと比較し、強みや課題を明確にします。報酬水準、報酬構成、インセンティブ報酬の有無などの要素を重点的に調査・分析します。

  • 改善点の明確化:
    比較分析を通じて役員体制や報酬制度に関する具体的な改善ポイントを整理し、設計の方向性をさらに具体化します。

  • 競争優位性を高める戦略的提案:
    貴社の役員報酬制度を業界標準と比較し、競争優位性を高めるための水準を模索いたします。報酬水準の適正化やインセンティブ報酬の導入可否、改善など、貴社の成長戦略に合致した提案を行います。
 
 

第三ステップ;「監督と執行機能のあり方を踏まえた、新役員体制構築」

役員体制制度は、経営の意思決定プロセスとその実行力に直結するものであり、企業の経営効率性と競争力に大きく影響を及ぼします。

弊社の役員体制制度設計では、貴社の経営方針や将来の監督機能および執行機能の方向性を基に、最適な役員制度を策定します。

以下に、主なサービス内容をご紹介いたします。

  • 等級フレーム検討
    各役員の役割と責任範囲を定義し、効率的な執行機能を確保するための枠組みを設計いたします。組織の戦略的目標に沿って、適切な人材が適切なポジションに就くことで、経営と執行機能の連携強化を目指します。

  • 報酬決定要因の一つとなる役員の職位のあり方確認
    役員の職位や職務内容を明確化します。役員の役割や責任を明確にすることで、意思決定プロセスの透明性を高める一方で、公正かつ適正な報酬体系の構築につなげていきます。

 
 

第四ステップ;「報酬ポリシーを踏まえた、新役員報酬構築」

弊社の役員報酬制度設計サービスでは、貴社の報酬制度が経営戦略や組織の成長目標に適合し、役員のモチベーション向上と企業価値の最大化に貢献するための制度構築を目指します。

中でも、報酬水準や報酬ロジックについては、当社が長年培ってきた国内外の独自のデータ分析により、業界や競合他社情報と比較しながら、妥当性を検証いたします。以下に、具体的なサービス内容をご紹介いたします。

  • 報酬ポリシー検討
    経営戦略や業界動向を踏まえ、報酬ポリシーを検討いたします。貴社の成長戦略や価値創造の方針に沿った報酬ポリシーを策定し、組織全体の目標達成に向けた報酬制度を構築いたします。

  • 報酬構成要素:
    役員報酬の構成要素を明確化し、固定報酬とインセンティブ報酬のバランスを最適化いたします。報酬構成の透明性と公平性を確保し、役員のモチベーション向上と企業の成果にリンクさせます。

  • 固定報酬設計:
    役員の基本報酬の設計において、市場水準や貴社の経営方針に基づいた適正な水準を検討いたします。役員の責任と貢献度に見合った固定報酬制度を策定し、組織の安定性と信頼性を確保いたします。

  • インセンティブ報酬設計:
    役員の業績や成果に応じたインセンティブ報酬の設計を行います。経営戦略実現のために必要な行動を具体化し、達成状況をKGI(目指すべき成果指標)やKPI(プロセス指標)に基づいた目標設定と報酬連動の仕組みを導入することで、適切な業務執行を促進する報酬制度を構築いたします。

  • 報酬決定ロジックの策定:
    事業ポートフォリオや経営方針、株式市場に対応した報酬決定ロジックを策定いたします。組織の価値創造と株主価値の最大化に向け、報酬制度の設計を最適化いたします。
 
 
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第五ステップ;「制度最終化」

すべての関係者が明確に理解し、実行可能な制度とするために、取締役会への報告資料、開示資料、規程類の整備を徹底し、制度の最終化を行います。具体的には以下の活動を行います:

  • 報告資料の作成:
    取締役会および関係者へ提出するための詳細な報告資料を作成いたします。設計プロセスの概要、提案された設計の利点、および実施計画を明示し、関係者が制度設計について十分な理解を得ることを目指します。

  • 開示資料の準備:
    株主や市場への透明性を確保するため、設計内容を開示する資料を準備いたします。報告資料との整合性を保ちながら、適切な情報開示を行うことで株主の理解と信頼を深め、企業価値の向上に寄与します。

  • 規程類の整備:
    新しい役員制度を支える内部規程やガイドラインを整理いたします。制度の実効性と持続可能性を保証するための詳細なルール作りを行い、適切な法令や規制への遵守も確認します。
 

4.役員制度の浸透に向けて

役員制度の成功は、その浸透と運用にかかっています。教育、トレーニングプログラムや、フィードバックセクションなどの施策を通じて、制度の理解と実行を促進します


 

4-1.ボード・スキルマトリクス作成、開示支援

役員会における多様性・実効性は企業の持続的な成長には欠かせません。特に、経営戦略上求められる知識や経験、スキルについて、現状とあるべき姿を整理し、そのギャップを把握しておくことは極めて重要です。
当社のスキルマトリクス作成支援では、コーポレートガバナンス・コードに沿った形で、貴社固有の役員体制等から判断される、役員会(ボード)として備えるべきバランスあるスキルマトリクスの整備をご支援します。
また、当社の保有するスキルマトリクスデータベースを用いて、貴社に足りないスキルを定量的かつ効率的に補完検討することができます。


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4-2.役員サクセッションプラン策定

コーポレートガバナンス・コードに求められている、透明性・公平性の高いサクセッションプラン(後継者計画)の策定をご支援します。
任用基準を具体化することで、従業員からの昇任判断とプロセスを有効なものとします。
さらに、役員候補となる従業員教育について、複数年にわたる教育と配置のプログラムを策定し、結果を出す経営幹部集団構築をご支援します。


 

4-3.役員会における実効性評価

役員会の機能向上を図るためには、形式的な制度支援だけでなく、適切な外部機関による実効性評価が重要です。
セレクションアンドバリエーションでは、取締役会における実効性を役員会の運営と構成、経営戦略と事業戦略、企業倫理とリスク管理、業績モニタリングと経営陣の評価・報酬、株主等との対話といった項目で公正に評価します。


 

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